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[第32回]

復活!? WinBOOK

2003.11.7

 SOTEC WinBOOK Pro J4/100(i486DX100MHz 8MBRAM 540MBHDD 800×600 256色 CD-ROMなし) http://sotec.techsupport.co.jp/esupport/index.asp?pc=0200080000006 が発売されたのは1993年であったか。日本初の高解像度のカラーノートで、当時30万円を超えた。現在のSOTECは安売りメーカーでしかないが、当時は最先端の技術をいち早く取り入れるベンチャーであった。雑誌の広告でこれを見た私は、その日のうちに通信で買った。以後、メモリーを24MBに増設しても、HDDを1GBに換装しても、某大メーカーのように不具合を起こすことは一度もなく、Windows XP が出るつい最近まで、10年近く現役で活躍し続けた。
 某大メーカーのTOSHIBA BynaBook http://dynabook.com/pc/index_j.htm  を買ってからはさすがに使わなくなったが、このままオクラに入れるのはもったいなく、Linux でルーターとして復活させようとした。しかし、ルーティングには思いの外CPUパワーを要するらしく、ADSLのスピードが期待するほど出ない。そのため、実用を諦めたことがある。しかし、この時、PPPoEをカーネルモードでコンパイルすれば劇的にスピード向上が図れるという記事を見て、この方法を使っていつの日か我が愛機を復活させようと誓った。

1,カーネルモードPPPoE

 それから半年がたち、「復活、WinBOOK」の思いは募るばかり。ルーティングの性能を向上させるには、カーネルモードPPPoE。しかし、そのためには次の3つのハードルをクリアしなければならない。

 1については、バイナリーが配布されているので、RedHat http://www.jp.redhat.com/ の9のカーネルのアップデートでいけそうだが、2と3についてはソースをコンパイルする必要がある。コンパイルの経験がほとんどないので、うまくやる自信がなく、手を出せないでいた。しかし、「LINUX magazine http://linux.ascii24.com/linux/linuxmag/  9月号」に関連記事が載ったので、これを機にチャレンジすることにした。

2,禁断のインストール

 WinBOOKに、RedHat9を入れようとしたが、どうしてもPCMCIAカードを認識しない。SCSIIもネットワークも、私が持っているカードはみんなだめ。以前入れたRedHat7.1ではすんなりと認識していたのに、9ではなぜだめなのか?
 問題が解決しないまま時間は経過し、今回の計画そのものを諦めざるを得ないと考え始めた矢先、禁断の裏技が閃いた。CD-ROM内蔵のノートにHDDを付け替えてインストールし、その後HDDをWinBOOKに戻す! そんなのあり? という声が聞こえてきそうだが、禁断の裏技は究極の裏技でもある。Linuxの場合、Windowsなどに比べ、機種に依存する割合が極めて低い。一度Linuxを入れてしまえば、後は「こっちのもの」なのだ。
 と言うわけで、妻のSHARP Mebius http://www.sharp.co.jp/mebius/  の裏蓋をはずしてHDDを取り出し、WinBOOKのHDDにつなぎかえて、蓋もせずむき出しでインストールを敢行。どうせXを入れたってWinBOOKでは使い物にならないんだし、インストールは30分ほどで無事終了。早速HDDをWinBOOKに戻し、起動してみた。

3,i8365

 起動はつつがなく行われ、ログインできたが、PCMCIAが使えない。これが使えないことにはルーターにならないので、この問題の解決は最重要課題。PCMCIA-HOWTO http://www.linux.or.jp/JF/JFdocs/PCMCIA-HOWTO.txt を精読すると、インストールに使ったMebius とWinBOOKのカードコントローラーの種類が別物ではないかという予想が立つ。そこで、カードコントローラーの種類を指定する、/etc/pcmcia.conf を編集し直す。

 編集後、restartすると、PCMCIAのネットワークカードが動き出した。

4,カーネルのアップデート

 RedHat9のカーネルは2.4.20-8だが、これをPPPoEを有効にしたカーネル2.4.20-20にアップデートする。RedHatのFTPサイト http://ftp.redhat.com/ の/pub/redhat/linux/updates/9/en/os からkernel-2.4.20-20.9.i386.rpmをgetする。こいつは、バイナリーなので


とやれば、インストール完了だ。

5,PPPとRP-PPPoEのビルドとインストール

 まずは、古いRP-PPPoEとPPPをアンインストール。


 次に、RedHatのFTPサイト http://ftp.redhat.com/ の/pub/redhat/linux/9/en/os/i386/SRPMS からrp-pppoe-3.5-2.src.rpmをgetする。こいつを


とやると、/usr/src/redhat/SOURCESに、rp-pppoe-3.5.tar.gzとppp.tgzが生成される。
 次に、/usr/src/redhat/SOURCESに移動し、


とやれば、pppのビルドとインストールが無事終了した。コンパイルと聞くとなにやら難しそうな響きがあるが、やってみると簡単なこと。訳はわからないおまじないを唱えなければならないが、おまじないと割り切ってしまえば簡単なことなのである。
 次は、RP-PPPoEの方だが、こちらはちょっとだけおまじないが増えるが、恐れることはない。/usr/src/redhat/SOURCESに移動した後、

以上で、PPPとRP-PPPoEのビルドとインストールが終了。

6,動作確認

 カーネルモードでRP-PPPoEが動いているかどうかは、/var/log/messagesを見る。


という記述がどこかにあれば、O.K.とのこと。探してみると、上の記述がすぐに見つかった。

7,復活!? WinBOOK

 さて、いよいよ、スループットの測定だ。OSO's Modem Siteの「受信速度の自動計測ページ」 http://member.nifty.ne.jp/oso/speedtest/ で測ってみた。ところが、何ということだ。580Kbpsしかでない。コンパイルしないユーザーモードのRP-PPPoEが480Kbpsだったので、確かに120%に向上はしたが、これは「劇的」ではない。劇的というからには2倍ぐらいを期待したのだが、甘かったようだ。プロキシーをインストールしてどうにか実用にこぎ着けたが、これって、復活!?

 というわけで、これがWinBOOKの限界ということである。スピードは何とも遅いが、静かで、省エネ。つけっぱなしでもいけそうだ。24時間連続稼働の実験をしてみようと思う。

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