ホームページの星

 

「心の上司」

 

ホームページを運営していると、どうしても更新できない日とかが出てくる。

例えば仕事がキツかった。慢性的な睡眠不足。ネタの枯渇などなど。

忙しいのはわかる。疲れているのもよくわかる。

しかし私はネット上に自分のホームページを自分の手で置いた責任者だ。どれくらい足を運んでくれたかわかるカウンターも設置し、言葉にこそ出してはいないが「もっとたくさんのお客さんが来て欲しい〜」というメッセージは常に裏にある。

私の場合、製作者の人格とは別に「上司」というものを設定している。

この上司がグータラ上司だと、たとえホームページの更新作業が大幅に遅れていたとしても、

お疲れ!先帰るわな!

といって自分だけさっさと帰ってしまい、社員である製作者は完全にヤル気をなくし、自分にも当然甘くなってしまうのである。

この上司の設定レベルを上げることで今まで私は精進を重ねてきた。しかし最近は超多忙な毎日であり、なかなか以前のように毎日チープなネタを連発する余裕がなくなってきた。

そうなると”心の上司”からは説教ばかりである。いつのまにか私の心の上司はとんでもないレベルまで達していたのであった。

上司「あ〜。ちょっと呉くん。呉くん。いいかな?」

呉「は、はい??」

上司「いや、ちょっといいかな? と聞いているんだ。」

呉「ああ、今から寝るとこでしたが別に構いませんよ。」

上司「この件を私に理解できるように説明をして欲しいのだが…。」

呉「あのぅ、どういったことでしょうか?」

上司「我が社の経営理念の”お客様に対してのサービス”の項第一条を今スグ言ってみたまえ。」

呉「えっ、え〜っと、」

上司「社員手帳を見ない!

呉「はっ、申し訳ありませんっ。えっと”お客様からのメールは必ず返事を書くこと”で、です。」

上司「そうだな。そう。言うだけなら誰でもできる。その意味がわかるか?」

呉「…(汗)」

上司「お客様は私や君とは違って、ものスゴイ恥ずかしがり屋さんもいるのだ。そうしてやっとペンを取り、滅多に書かない感想メールを出したとして無視されたとしたら君はどう思うかね?」

呉「そんなページ二度と行きません。なんて冷たい人なんだ!こんなに一生懸命書いたのに。と思います。」

上司「そうだ。そうなんだ。それが人間なんだ。で、本題だが、20万アクセスの時のまだ書けていないお祝いメールの返事の件だが何故書かないのかね。」

呉「い、いえ、書きたいのは山々なのです。書けないのです。睡眠時間は少ないですしホームページ以外の創作も始まりましたし…」

上司「それがどうしたというのだ。すべて大事なものなのじゃないのかね?書けないのではない。書こうとする意志が弱いから寝てしまうのだ。君は返事を書かないで良心が痛まないのかね?」

呉「そりゃあ申し訳ないと思っています。でも聞いてください。聞いてくださいっ。20万のお祝いや電脳披露宴の感想、三十路のお祝いメールや連載のお祝いメール。目出度いのですが、ありがたいのですが、日々の更新、新ネタの考案、全ての返事、一日二時間くらいの枠ではとても処理しきれません。ハッキリいって死にそうです。」

上司「何故さばけないのかね!

呉「いや、ですから時間がない。と…。」

上司「時間とは作るものなのだよ

呉「そ、そんな事いわれましても、次の日は仕事ですし、私は妻や子供を喰わせていかねばなりません。仕事を休む訳には参りません。」

上司「そんなこと結婚をしているクセにホームページを立ち上げた瞬間からハッキリとわかっていることではないのかね

呉「いや、ですからここまで肥大するとは予想もしていなかったことで…」

上司「君は逃げるのかね? 自分に負けるのかね?

呉「…」

上司「これまで順調に私の経営理念に徹して作り上げてきた成果を、君の怠惰な精神でブチ壊しにするつもりかね? 返事を書かないのが続いてみろ。いずれお客様から「呉エイジってスッゲータカビーだよ」と掲示板に書かれたり「呉エイジって何か勘違いしてない?」などとチャットで話されたりするのは必定なのだ。」

呉「そんなん言うたって」(涙目

上司「泣くのかね? 君はいい歳して泣くのかね?

呉「わかりました。では今晩から早速漏れなくメールの返事を書くので早引きします。それでは…」

上司「話はまだ終っていない。

呉「ま、まだ何かあるのですか?」

上司「君は自分で”始めて間もないホームページ製作者をバックアップする”というもれなくリンクを売りにしていたのではないのかね? 今何件溜まっているのか知っているのかね?」

呉「50件くらいです…」

上司「そのホームページ製作者は待っているのだよ。毎日毎日待っているのだよ。

呉「それは充分理解しております。しかし私はリンクをはる際、全部目を通してからリンクをするので時間がかかってしまうのです。今そのような時間はなく、創作やネタのストックやらで日記を更新するのがやっとなのであります。」

上司「今に君は彼らに潰されることになるだろうさ

呉「そ、そんな。私は誠意を持ってリンクをしたいのです。適当な紹介文でリンクをしても作者に失礼なだけではありませんか!」

上司「今の世の中スピード時代なのだよ。スピードこそ勝ち抜く秘訣。読者がリンク依頼してきたら10分後にしてあるのが一流企業の条件なのだよ。

呉「そ、そんなメチャクチャな! と、とても10分では作業できません。」

上司「できないのではない。君は“やらない”のだよ。

呉「そんなん言うたってっ」(涙目

上司「泣くのかね? 君はいい歳してまた泣くのかね?

呉「わ、わかりました。全部します。私が全部悪いのです。言う通りにします。失礼します。」

私は泣きながら退社した。深夜の道路を一人歩く。寝静まった街、だれ一人いないハズなのに、私の耳の中では、たくさんの人達のざわめきが…

我が社は前半期と後半期でポイント制を採用する。君の前半期ポイントはランクC。そのペースでは主任にもなれんぞ。

はじめまして。思い切ってメールしちゃいました・

君は返信しないで平気でいれる最低の人間になりたいのかね?

刺激を受けました。頑張ります。僕もホームページ作ります。

君のたった一日の気の緩みで若い芽を潰してしまうかもしれないのだよ。

打倒! 呉エイジ

ライバルは山ほどいるのだ。立ち止まっている場合ではない。考えるな! 走れ!

「師匠を追い越せ〜っ」「オーッ!」

この前送ったメール見ていただけたでしょうか? 届いたかどうか心配で…

何故あと一時間くらいの睡眠時間を削ることができないのかね。

アンタどれだけパソコンに座ったら気が済むんや! エエかげんにしときぃや。