祝!ビーチクボーイズ新曲「ええかっこしい」レビュー
「99年初のビーチクボーイズは腰にくる」ニューヨークタイマーズ誌
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まだ”ビーチクボーイズ”を聴いていない方は「こちら」からどうぞ。 |
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珠玉のバカペラナンバー「送る言葉達」「イン・マイ・ブーム」「早くでて」は、ビーチクボーイズに莫大な印税、即ち富を瞬時にもたらした。 人気の赤丸急上昇と比例して、おエラ方との食事をする回数も増えていったに違いない。 人気の出たバンドの宿命「飲む・打つ・買う」をビーチクボーイズが実践してしまった記録は手元にはないが、有名プロデューサーや敏腕ディレクター達との”終りなき接待の苦悩”が、この最新曲「ええかっこしい」には浮き彫りにされている。 印税が支払われる前日に、飲みに行かねばならぬツラさ。それでも人気バンドであるなら、エエカッコをしなければならない。 「いやぁ、今金ないんで…」 などと言おうものなら、その瞬間、今までバンドを包んでいた幸運の天使は、まわしゲリをくらわしながら天高く飛び立っていき、イッキにそのバンドはヒットチャートから姿を消す運命なのだ。 梅コースでも”竹”のウンチクを垂れなければならない人気バンドの処世術。 リスナーはこの”竹”コースが”タケダーズ”のダブルミーニングであることに注目しなければならない。 早速、本題のレビューに入ろうではないか。諸君。 まずこの最新曲にも本家バカペラの伝統ともいうべき”憑依したかのようなモノマネ”が組み込まれている。 「何故に今、熱中時代?」などと問うのは野暮な質問であろう。 「ぼーくのーせんせーいはー」この少年のようなホップしたヴォイシング。 ”似てる””似てない”も、この際論じる必要性はない。ただ”キツイ”とだけは言えるだろう。そこで曲が終ればの話だが。 しかしビーチクボーイズはやはり我々の想像を絶するモンスターバンドであった。熱中時代のモノマネは見事な計算の上に成り立っていたのだ。 僕の先生は”タケダ”だったのだ。それもモノマネの!! ミステリー作家のように曲の最初で「タケコース・予約」といった単語を、真相解明の手がかりとして大胆不敵にも提示しているではないか。愚鈍な私は、その真実を3回目に聴いた時、初めて気が付いた有り様であった。 ここでこの曲は自動的に「送る言葉達」へと大きなサークルを描き、驚愕のコンセプチュアルソングへと昇華する。 この瞬間リスナーは”タケダーズ”から”ビーチクボーイズ”に至る一連の流れを区切ることを暗黙のうちに宣告される。 そう。ビーチクボーイズは新たな”音”を探す旅に出る決意をしたのだ。 ある日ビーチクボーイズから私の元へコレクトコールが入った。ビーチクボーイズを乗せた豪華客船はカリブを出港した直後だったのだ。コレクトコールの料金にビビった私は即座に受話器を落として切れてしまったフリをした。後で嫁に怒られるからである。 数日後、今度はビーチクボーイズから長い巻き物が届けられた。 そこにはこう書かれていた。 「ホントーはもっとスロー目の実験的な曲を用意してたんだよー。でも8bitバンドがアップテンポだったから急遽変更したんだ。」 私は驚きの余り巻物を床に落としてしまった。 「ス、スローなバカペラ…」 それはビーチボーイズでいうところの”サーフィンUSA”から””ペットサウンズ”に向かう掛け橋ともいうべき曲「レットヒムランワイルド」のようなタイプの曲を指していたのだろうか? ビーチクボーイズは優秀なバンドであり、一方では優秀なマーケティングウォッチャーでもある。 市場が私のバカ陽気な曲「ローン」を発表した後を受けて、自身の芸術性を押し殺してまでアップテンポの曲を用意し”ポン”と出す。 これは”キャロライン・ノー”をリリースしようかなー。と思っている時に、市場の様子をみてキャッチーな”スループ・ジョン・B”を出すビーチボーイズの優れたマーケット戦略に通じるものがあるだろう。 そしてビーチクボーイズは曲の中に「第一期の区切り」と「次作の激変」を隠れたメッセージとして我々に届けてくれたのは確実なのである。 リスナーは次回作で更なる変貌を目の当たりにすることをここで予言しておこう。 完 (99.3.21) 付記(99.3.23) |