友に宛てた短い手紙

 

友よ。ニセ石黒賢よ。

どうやら今回もダメだったようだな。オマエは本当に根はイイ奴なのに、何故最近の若い娘はオマエの良さが伝わらないのだろう。不思議に思うよ。

今回は友人の紹介だったっけ。相手がオマエの写真を見て一発気に入ったんだよな。オマエ、掴みはいいんだよ。そこらへんは自信持っていいと思うな。

デートが決まった時、オマエは息を弾ませて電話してきたっけ。

余程嬉しかったんだろうな。オマエ同じ話題をグルグル話してたよ。落ち着けよな。

オマエは古風だ。その辺は反省しろよ。俺はスケベだけどもやっぱり人肌のコミュニケーションって大切だぞ。

「いいや。まだ早すぎる!」

ってオマエは俺に怒って電話を切った日もあったけど、5回目のデートにしてキスはおろか、手も握らない明治時代のデートなど、世の風潮と逆行しているぞ。

好きなら結婚前だろうが関係ないと思う俺は間違ってるか? 男が責任とれる範囲ならの話だぞ。

で、危惧していた通りのオマエからの相談電話。相手は何て言ってたっけ。

「友達としては付き合えるけど、恋人としては…。」(※効果音)

スリルだよ。スリルが男には必要なんだよ。でもそれがオマエらしさといえばそうなんだよ。でーんと腰を据えて待ちゃいいさ。

またいつでも電話してくれ。俺はいつでも話を聞いてやるよ。

(99.5.2)