机の上には各コーナー代表よりレポート10枚に及ぶ申請書が並べられた。それぞれが真剣な面持ちで議長の発言を待つ。場内は緊迫したムードに包まれていた。
議長「あ〜、それでは下半期の予算について討論を始めたいと…」
ワガツマ「議長、討論の必要はありません。なぜなら日々増加の一途を辿るマックのデーター。クラッシュ予防の為ハードディスクを丸ごとバックアップできる準備というのは最優先事項であると思うわけでありまして…。」
8bit「異議有り。それでDVD-RAMの導入という訳ですか…。笑止な。短絡で非経済的でございます。議長。ワガツマ部門に至りましては昨年末の年末調整をチョロまかしまして8倍速のCD-Rを既に導入済みであります。独り占めでございました。650メガバイトであります。メディア一枚100円の予算云々以前の問題であります。それにDVD-VIDEOならともかく各メーカーも規格を乱発しており、どれがスタンダードになるか時期尚早の時なのでありまして、ビデオでいうならば未だVHS対ベータの時代なのであります。そこでワガツマ部門の予算は削減いたしまして、市場から完全に消えつつあるネオジオハードの保護。これこそが最優先事項でありまして、捕獲できるのが年内、今が正念場であると考えるのでありま…。」
雑文「チョット待った。あのさぁ、確かにネオジオはレアよ。ソフト置いてるところも姫路では限られてきたわさ。でも我々格闘ゲームマジで好き?(笑)今更バカでかいジョイスティック膝に置いてさぁ、2D格闘に燃えるとは思えない訳なのよ。目的を見失った無駄な予算の使い方の典型をやらかすと思うわけ。今我々に必要なのは未来を見据えたビジョンなのよ。音声テキスト入力ソフト[ビアボイス]これっきゃないわ。イスに座って腕組んで赤影参上状態でテキスト打ち込めちゃうのよさ。未来のビジョンが一万数千円で我が家に来るのよ。マイクもついてくるわさ。ライブ入力の実験的エッセイをやるのは今よ。旬なのよ。ビジョン無き者はおだまり…。」
四コマ「議長。発言権を。あぁ、ありがとうございます。天高く馬こゆる秋、本日は日頃の皆さんの行いの良さを表したような雲一つない晴天に恵まれましてと校長が壇上で言う端から、遥か後方を指さして「雲ある〜雲ある〜」などとほざくガキんちょには鉄拳プチ制裁オッケーの法案可決はさておき、データーをとるまでもなく雑文の匣部門におきましては昨年度の予算獲得ナンバー1の部門なのであります。独占市場まるごとビルゲイツ状態なのであります。我が四コマ部門は同じビル内ながらも、ここだけの話ひもじい思いをしてまいりました。ナマラーに言わしめますれば「ぼっけぇひもじゅうてきょうてぇ」ということになります。もう大惨事であります。小学生の頃「上は大水、下は大火事な〜んだ」の問いに対して散々悩んだ揚げ句「大変」というメタ的答えを叩き出しクラスを爆笑の渦に叩き込んだ村上君の比ではございません。ここはひとつ謙虚にペンタブの導入による繊細なタッチの獲得を考えて頂きたい。今ならセットでホイールマウスもついてきよります。ネスケの表示が楽であります。」
議長「静粛に。あぁ〜一同静粛に。だいたいの意見は出揃い…オヤ? バカペラ部門の発言がありませんな。予算案も地味なタイトルで掴みにくい。非常に興味をそそられますなっ。」
ワガツマ「バカペラの罠に引っ掛かってはなりませぬ。それはきゃつの手口です。」
議長「静粛に。あぁ〜バカペラ部門。そちらの予算案の内容、個人的に非常に興味をそそられます。真鍋かおりの谷間並にそそられる次第であります。ここは議長の特権により長時間の予算案説明を許可します。」
8bit「バカペラ部門は昨年末にハーモニーマシンを導入しニッセイガールズをレコーディングしております。これ以上何をバカ唄にかけるというのですかっ。」
議長「許可の無い発言は却下いたします。さぁバカペラ部門。どうぞ。」
バカペラ「って言うか、アーティストって言われたくない訳よ。[職人]これが一番嬉しいね。改めて言うまでもなくさぁ、今年関東オフん時、静炉巌さんとこ遊びに行ったじゃん。そこでカナスギやワラビ、のりの、JDと静炉巌さんプロデュースの元、わずか数時間で一曲バカペラ仕上げたじゃない。あの時の衝撃が未だに抜けないのよ。」
議長「そりゃ仕方がない話だ。静炉巌さんの部屋はアマチュアの域を越えたミニスタジオとでも呼べる設備だった。我々が青春時代、ナッツ&ミルクを定価で買っていたゲームキッズの頃、静炉巌さんはバンドマンでバリバリのモテモテ状態だったのだから。今まで掛けてきたお金が違う。」
バカペラ「あれから姫路に帰り、何度も夢見たのさ。8トラックのマルチレコーダー、高そうなリバーブ。良い音鳴らしてたモニタースピーカー。シュアーのマイク。あぁ静炉巌さんのような環境で魂をスパークさせたい。魂を揺さぶるような表現活動に没頭したい。と。そこで私は議長に提案する。私のバカペラ曲「ニッセイガールズ」「ローン」でさえ7,8重コーラス。この壁を越えなければ私はいつまでたっても静炉巌さんの背中を追うだけなんだと痛感した。そこで16トラックレコーダーの導入を検討して頂きたい。」

議長「う〜む。言いたい事はよくわかる。ましてバカペラごときにここまで金を掛けるバカさ加減のスタイルも私的には充分バッチオッケーなのだが、だがいかんせん19万8千円は高い。月々1カートン煙草を我慢しても遠い道のりになりそうだが…。」
バカペラ「導入はこれだけに留まりません。これを御覧下さい。」

議長「な、何をする機械だ? このマイクプリアンプコンプレッサーというものは。」
バカペラ「実は私も良くわかりません。ただ、サウンドレコーディングマガジンなるものを解読しながら読んでいると、どうもボーカリストは「持ってなきゃいけない」部類の機械らしいのです。そしてボーカルを豊かに増幅してくれそうな機械なのです。これを16トラックレコーダーとマイクの間にかませば、おそらく理想とするサウンドが手に入るのではないかと…。」
議長「二万千八百円…。これも安い買い物ではないな。ちょっと検討させて欲しい…」
バカペラ「まだあるのです。議長、正直言って、河原車中レコーディングや、押し入れの中でのレコーディングは、ハッキリ言わずとももうウンザリです。これでは作品完成までに気が萎えてしまいます。そこでこういう広告を見つけました。」

議長「ぼ、防音か?」
バカペラ「そうです。畳二畳のスペースです。これを部屋に導入しまして、いくら大声を出しても2F、4Fの奥様に迷惑がかからないという環境を、多少無理をしてでも手にするべきです。」
議長「フム。魅力的ではあるな。で、その値段はいかほどになるのだ?」
バカペラ「これです。」


議長「君は一体どういうしつけを受けてきたんだ!」
バカペラ「いや、ですから多少値段がはる、と…。」
議長「論外だ。こんな会アホらしくて続けてられん。閉会だ。とりあえず来月の小遣いはドリキャス版デッドオアライブ2と、釈由美子と真鍋かおりのDVD辺りを揃えてだな…。」
雑文「たわけ、創造に金を使え。この娯楽餓鬼めが。それでよく議長が勤まるな。」
議長「だまらっしゃい。ショートカットで巨乳というマイエバーグリンとも言える…。」
〜以下会場大乱闘〜
考えてもみなよ。人間一人の心の中でさえ天使と悪魔が葛藤するんだ。地球から戦争や紛争がなくならないのも、なんだがわかるような気がしないでもないだろ?
そういいながら私は愛用のワイングラスを片手にテラスへ出ると、寂しげな目で夜景を見続けるのであった(何世界的規模でシメてんだよっ)。