ジ・エッセンシャル・ワガツマ
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・第二章「呉エイジ 東京の大地に立つ」 朝の六時半に渋谷へ到着した私は朝マックで腹を満たした後、金平が目覚めるまでの時間潰しを考えことにした。 漫画家というものは朝の2時3時まで仕事をするのはザラであり、起床は昼頃が相場である。 漫画喫茶に入り3時間程過ごした後、山手線に乗る。目指すは秋葉原。人生初、秋葉原デビューである。 「こっ、ここが秋葉原ですかっ!!」 デジカメを片手に辺りを見渡す姿は、完全に「おのぼりさん」であった。
頭の中では既に天使と悪魔のアルマゲドンが勃発している。 「メイド喫茶にこのまま行けばエエんじゃ」 「そんなとこで無駄遣いしてみぃ。ワシが冥途に直行やんけ。旅費の三万円無駄遣いしたらシバクって嫁に言われたんと違うんか」 「社会見学じゃ。こんな機会でもないとオマエ、一生メイド喫茶なんか行けんぞ。姫路にはないぞ」 「た、確かに…。御主人様なんて一生言われる機会なんてないなぁ…」 今まで迫害を受けてきた人生が走馬灯のように甦る。一家の大黒柱であるにもかかわらず、重ね重ねの罵倒人生。 「なっ、なっ、行こうや。きっとパラダイスやぞ。このまま人生終わってもエエんか?」 悪魔が耳元で囁いた瞬間、その映像を打ち消すかのように嫁の顔が迫る。 マユとマユの間を彫刻刀で彫り込んだかのような極深のシワ。 人間の眉毛はここまで釣り上がるものか? と思わず目を疑う驚愕の角度。 「悪魔憑き」を信じざるを得ない背後のオーラ。 「三万の使い道の明細を教えてもらう。しょうもない使い道をしたらアンタ。わかってはるよなぁ」 やっぱやめておこう…。肩を落として東京砂漠を彷徨い続ける。 巨乳フィギュアをガラス越に食い入る様に眺めていた時、携帯が鳴った。 金平「おはようさん。無事東京に来てるんか?」 呉「おう。来とる。着いたぞ」 金平「よく、あの嫁さんが許してくれたなぁ。気持ちよく旅費を出してくれたんか?」 呉「だからオマエが引越しで、手伝うからって嘘ついて出て来た」 金平「エエーッ!」 寝惚け声が一気に吹き飛ぶ。 金平「ややこしいやんけ。後でヤバくないか?」 呉「そんなこと言っても、嘘でもつかなきゃ今回絶対に参加は無理や」 金平「ま、まぁわかった。今から家を出るわ。どこや?」 呉「秋葉原でフィギュアを買おうかどうか悩んでいる」 金平「俺もすぐ行くから、駅前で落ち合おうや」 呉「まぁ、金平deR出して調子ブッこいてるお前に説教しないとイカンしな」
金平「来てそうそう御挨拶やな。まぁ後でな」 時計を見ると一時半。宴の開演は六時からであった。 |