夫婦千夜一夜



「第一夜」

判決の日”

週に一日、私は夜の自由を拘束される。

ホームページの更新は禁止。できるのは、メールチェックと日記の数行を書いてアップするのみでそれが終れば嫁さんの所に行き、一緒にテレビを見たりすることを強要されるのだ。

問答は無用。たとえ私が嫌いなドラマでも一緒にいなくてはならない。

「それが夫婦」

などと、のたまうのである。

たいてい、嫁は家計簿をつけながらテレビを見る。私はその横で、紙の切れ端にボールペンで落書きをする。私は小さい頃からそんな少年であった。

親が家計をつける横で、チラシの裏側にマンガを書き込む。そのクセは未だに抜けず、興味のないドラマを見るよりマンガのネタつくりや、エッセイのネタを必死にメモしているのだ。

嫁は「ふう」と息を抜いた。

どうやら家計簿をつけ終ったようだ。

そうして珍しく私のメモをのぞき込んできた。                   

嫁「アンタ、一体何書いてんのよ?」

呉「ああ、これ?これはポエムだよ。

嫁は興味深くメモを取る。そこには私の最新ポエムが書かれていた。

 

 

アンゴルモアが    

来るというのに  

”十年日記”を 

    通販してみる・・。

呉エイジ 



 写真”十年日記”


嫁「なにこれ???

呉「だからポエムだよ。こういう詩もホームページで発表の場を持とうかどうか迷ってるんだけどもな。なんて言うかなぁ、来年は恐怖の大魔王が降ってくる年やん?それで人類が滅亡するかもしれへん時にやで、10年日記を買うという一人の人間のはかなさいうかなぁ、たった一人の抵抗とでもいうかなぁ俵万智真っ青?」 

嫁「アンタの詩、全然笑えへん。

呉「心の声(あのぅ、これギャグじゃないんだけど…。)」



 

「第二夜」

”地獄のサンタクロース”

今年のクリスマスは華やかであった。

幸せなことに夫婦の両親健在なため、初孫にはその時点でプレゼントが4つ。更に我らの兄弟からもプレゼントが届き、24日は自転車や冷蔵庫のオモチャやダンプカーや絵本やアンパンマンのパズルやらで、部屋の中はオモチャまみれになってしまった。

親としては喜ぶべきだが、それよりも先に立つ思いは

羨ましい!!

の一言である。あぁ、子供の頃にかえりたい。ドリキャス買って!

そのなんとも形容しがたいウヤムヤな想いは、当然嫁にぶつけられる。

呉「なぁ、俺にもサンタ来おへんかなぁ…。」

嫁「サンタはもう帰った!

呉「イヤイヤ(笑)。だーかーらー。サンタの正体なんかわかってるやん? 俺ら、もう大人なんやし、もっと現実的な話やんけ。年に一度な? お父さんに感謝の気持ちを込めてやなぁ、クリスマスにな? 俺の欲しいもの一つくらいなぁ、買ってくれても俺は、俺はやで? バチは当たらへんと思うで。」              

嫁「ほんなら聞くけど、アンタの欲しいもんてなんやねん。」

呉「あ、あのな、セガが新しいゲーム機出したんや。ドリームキャストいうんやけどな、もうスンゴイ奇麗なグラフィックでゲーセンのゲームも完全いしょ…。」

嫁「それで、それいくらするねん。」(途中でさえぎり!

呉「ハードは2万きゅうせ…。」

嫁「アカン!

呉「イ、イヤ、わかってる。それは高いと俺も思うとった(笑)。それならこれはどうや?プレステの振動パックコントローラー。」

嫁「………。」

呉「説明しよか? ゲームのコントローラーにな?最近はスゴイでぇ。オマエも知ってるやろ? バイオハザード。俺が夜中プレイしとったら、横で「コワイ!コワイ!」言うとったアレや。ゾンビにな噛まれるとするやん?そんなら手ににぎっとるコントローラーがな? それに会わせて”ブルブル”っとな?振動するねん。」

嫁「………。」

呉「もう徹底してるで、あれは絵もコワイし、音楽もコワイし、その上噛まれた時にブルブルっときてみ? それになオープニングでもな、重低音で振動伝わってきてやで?    

バイゥオハッザーッド トゥゥー”」

嫁「………。」

呉「ど、どないしたんや??」

嫁「そんなもん、しらん!

 


 

「第三夜」

”言葉もなく・・・”

最近のインターネットの進化・充実ぶりは目を見張るものがある。

雑誌などを手に取り感心したり感動することもしばしば。その感動を嫁に伝えて、少しでも興味を持ってもらい、夜遅くまで更新を続ける私を理解してもらうのが、ホームページ製作者としての責任であると私は常々思っている。

しかしウチの嫁はコンピューターなどまったく興味がなく、理解はおろか最近では憎悪する始末である(笑)そこで私は当たり障りのない話題で嫁をコンピューターの話に持っていった。

呉「いやぁ、最近の技術の進歩はスゴイねぇ、この本見てみ?」

嫁「な、なによ!これ?」

 


呉「チャットだよ。」

嫁「チャット???」

呉「コンピューターを使ってな?お話することなんやけどもな? 昔はこれ”字”だけの世界や。味気ないもんや。でもな? これはな、3Dのキャラクターでな、男と女がキャラクターで表示されてな、コンピューター上で口説く訳よ。そして気が合えばな、別室に移動してな、そのう、いろんな体位のHをするわけやな、これが。」             

嫁「……。」

呉「俺も興味あるなぁ、こんなの。だって妊娠せえへんし、なんて言うかなぁ、プラトニックというか、絶対に肉体が付随せえへんいうか、究極のストイック? そうして脳内麻薬がドバドバーっとな(笑)想像力空想力かきたててな? 大人の駆け引きって言うんやろか?」   

嫁「………。」

呉「そんで、そのCD-ROMが4000円ポッキリで、入会金がさんぜん…。」

 

嫁 何も言わずオデコにグー

の図