
「怒りの温度」
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6月9日の日記より抜粋 ウチの嫁はO型なのだが、感情のぶつけ方がストレートすぎる所がある。以前、大ゲンカした次の日の弁当が”ご飯の上に海苔二枚(もちオカズ無)”という凄まじい日があった。フタを開けた瞬間心の中で「せめて握らんかい。握らんかい。」と叫んだのはいうまでもない。その日、弁当のフタを立てて食べる私の周囲は”戦時中ゾーン”と化したのであった。 |
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この日記をアップした翌日、いくつかの反響が電子メールで寄せられた。 戦時中弁当ですが、前いた会社のお茶目な課長、おイタがすぎて大バトルの翌日、弁当箱がやけに軽くて、開けて見ますれば、メザシが二匹だけ入ってた(もちろん、メシなし)、という事件がありました。 匿名希望さんからのメールにあるラブリー課長の“おイタ”はかなりのものであったとみえる。仮に私が推測している類いの“おイタ”であるのなら、ウチの場合「メザシ弁当&半殺し(慰謝料のため殺さない)」の目にあうのは火を見るより明らかなのであるが、それにしても凄まじい弁当だ。もはや弁当として機能していないのがスゴイ。これではお酒のおつまみではないか。通勤中カラカラ鳴るではないか。ナツメロの「くちなしの花」では〜指輪もまわる〜ほどであったが、おイタも過ぎれば〜箱の中でメザシもまわる〜ということなのか。 あなたの“海苔弁当”はまだいい。私など“弁当の中に巨大なおにぎり一個”でした。こちらの方が恥ずかしいですよ。 兵庫県からの匿名さんも悲惨である。私の弁当箱に“みっしり”と詰め込まれたメシの上に、海苔二枚という昼食も我ながらヒドイと感じたものだが、これは正に逆のアプローチである。奥様は“あえて握った”のである。それも弁当箱に一個が収まるくらいの超巨大オニギリを。会社について昼、弁当箱を開けた瞬間目に飛び込んでくる巨大な一個のオニギリ。兵庫県の匿名さんは、さぞかし凄い形相で巨大オニギリを握る(もはや握るではなく“こねる”)奥様の姿と怒りの度合いを想像し戦慄したことであろう。 そう。そうなのだ。いつの世も。いつの時代も男はやさしい。 そして女はいつの時代でも怖い。 ※ 暦の上でこそまだ梅雨の六月だが、日中の車内はもう温室のように熱い。服装は半袖になり、窓から出ている方の腕だけが日焼けしちゃう季節でもある。 それほど動いてなくとも一日家を出れば結構汗をかいているものだ。 ビールの飲める人が私は心底羨ましい。仕事を終え、熱いフロにザパーッと入って思いきり汗を流す。そしてチンチンに冷えたビールをキューッと飲んでプハーッとなり、それは”快感”であって酔うことなど決してない。 私の場合はアルコール類が全然ダメで、飲めばまず確実に”二日酔い”の症状が訪れる。更には耳が心臓並の鼓動を打ち、歯茎でさえ鼓動しているかのような状態に陥る。 であるからして湯上がりの一杯は自然と”ヤクルト”や”飲むヨーグルト”といったチルドレンドリンクにならざるをえないのであるが、それでも仕事を終えた後の風呂の気持ち良さは皆さんと変らない。 今日も一日汗をかいた。夕食の前に風呂場へと向かう。脱衣場でダラダラと服をぬぎ風呂場へ入る。 「早くあがってヤクルトでも飲もう。」 風呂のフタを手早くガラガラっと巻いて、右足を底まで勢いよくズボッと入れる。 その時私は一瞬水風呂かと思った。 しかしそれは正反対で超高温風呂であったのだ! 呉「アジーッ!」 条件反射が働いて、煮えたぎった風呂からすぐさま足を引き抜いた。指先を入れてみると、それは百度はあろうかとも思われる温度である。ハッキリいってシャレにならない温度であり、事故を起こしかねない温度だった。 シブガキ隊のフッくんが、以前火山でのロケかなにかで熱湯に足を突っ込んで大火傷を負った事故があったが、これはそれに負けてはいない熱さだ。 私は怒りに我を忘れ風呂のトビラを蹴飛ばして開け放った。 呉「オマエ俺を殺す気か?! この足見てみぃ。右足が真っ赤っかになってしもうとるやないけ!」 怒りで我を失っている私は、フリチンで風呂から飛び出し嫁に大声で抗議する。もとは色白の私の肌。可哀想に右足は真っ赤になり、指でスライドさせれば皮がニュルっといってしまいそうな状態だ。逆に反対は対照的に真っ白。 両足を揃えるとバニラとストロベリーの二色アイス状態である。 私はその時確かに大声を出した。しかし嫁は横に寝転がったまま動こうともしない。その場違いなリアクションは、私を当惑させるのには充分であった。 呉「オ、オイ。オマエ聞えてるんか?」 嫁「聞えてるで。」 呉「じ、じゃあなんでこっちを向かへんねん!」(動揺) 嫁「…。」 嫁は私の大声に対し微動だにもしなかった。相手が期待する通りの応対をしてくれないだけで、だんだんと大きくなっていく私の声。 これでは完全に負け戦である。 呉「オマエ百度くらいする風呂沸かして一体どういうつ…」 嫁「まずはこれを見んかい!」(怒号) |
(by エヌティーティー)
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それはエヌ・ティーティーからの世にも無情な請求書であった。 呉「ええーっ。ウッソー。こ、これマジですか?」(敬語!!) 嫁「アンタが一生懸命働いてくれるのはようわかる。最近は改心してコンピューターにお金を注ぎ込まなくなったのも嬉しい。」 ここで私はまた別の汗をかかなければならなかった。嫁には内緒でバイトの金の40%を横領し、マックの内蔵機器全てをアップグレードしていたからであった。 嫁「それでもこれだけ金がタラタラ流れ落ちたら貯まるもんも貯まるか!」 呉「あっれー。おかしいなぁ。なんでこんなに今月高いんだろうね。田舎に電話かけたときかなぁ。それとも最近話題のインターネット犯罪に巻き込まれてしまったんだろうか…」 嫁「真剣な顔して考える前に先パンツはいて。」 私は風呂の熱さの怒りと、突如嫁から尽きだされた高額請求書と、秘密の内蔵機器アップグレードの発覚を防ぐためのポーカーフェイスとで頭の回路は現在フリチンであるという事実をすっかり忘れてしまっていたのだった。 嫁「今日の風呂の熱さは私の怒りの温度と考えてもらって結構です。」 呉「なんでオマエそんな事平気でするんや。俺は毎日汗水たらして一生懸命働いて、欲しいマックも家計のためにガマンして、一日の終りに風呂に入って湯上がりに冷たいヤクルトをキューッと飲んで、唯一の楽しみのインターネットの請求がチョット高かったくらいで釜ゆでの刑かいな。なんでこんなにツライねん。なんで会社でも家でも俺は…」 |
フリチンのままフェードアウト…。
これを読んでいる独身者諸君。ここはぜひ心して耳を傾けてほしい。
「夫婦とは“心は二つ財布は一つ”」
と、一言いっておきたい。
完